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2016.01.08
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有料老人ホームでの「殺人事件」に思うこと

今月4日の未明、埼玉県戸田市の介護付有料老人ホーム「サニーライフ戸田公園」で、入居者である87歳の女性が顔から血を流しているのが見つかり、その後死亡が確認される事件がありました。容疑者として逮捕されたのは同じ階に入居していた男性で、ホームによると「認知症の症状が見られた」とのことです。

「被害者と容疑者の間で過去にトラブルなどがなかったのか」など、今回の大きな事件が起こってしまう前に事態を予見し、適切な対応を取れる余地があったのかどうかは、今後の警察の捜査やホームからの発表まで待たなければなりませんが、今回は少し別の角度から事件を考えてみたいと思います。

居室数148室で6階建の大規模・高層物件

 

事件のあった「サニーライフ戸田公園」は6階建で、居室数148室と有料老人ホームでは大規模な施設です。報道では事故当時の入居者は145名。夜間は職員5人体制で2時間ごとに巡視をしていたとあります。

ホームでは定時の巡視のほか、当然居室からのコールにも対応しなければなりません。人員の少なくなる夜間帯はどうしても職員の上下階移動が頻繁になりますが、6階建の高層では特に大変だったのではないかと思います。

社員寮からの改修物件、重介護者の割合も高い

 

また同ホームは平成3年に社員寮として竣工された建物を改修した物件ということもあり居室にトイレがありませんが、平成26 年7月時点の「重要事項説明書」を見ると、当時の入居者数147名に対し要介護3以上の方は98名と約2/3を占めています。

おむつ交換や共用トイレへの誘導など排泄の介助を必要とする方も相当数いらっしゃるのではないかと思いますが、居室フロア数が増えればこれも特に職員の少なくなる夜間、職員の負担は大きくなります。

また館内にエレベータは1基しかありません。食堂は各階配置ではなく1階と4階に各2か所の計4か所ですから、本来であれば食事の度に大半の入居者に上下階の移動が必要ということになります※

改修物件は、有料老人ホームとしての職員・入居者の動線を考慮して設計されていない点が新設ホームと異なります。もちろん改修物件の中にも優良なホームは たくさんあるのですが、入居を検討されるときは、新設ホーム以上にしっかりと入居後の生活を具体的にイメージすることが大切です。

※系列の他ホームで伺った話では、食事ごとの誘導はせず、朝食時から夕食を召し上がるまでの間、原則居室には戻らず日中は食堂でお過ごしいただくよう入居者にはお願いしているとのことでした。

事件の背景にはハード面の条件も影響?

 

このような環境の中、お一人おひとりの入居者の状況や入居者同士の関係などをしっかりと把握することが求められた現場スタッフの皆さんの負担はかなりのものだっただろうと思います。

・100人を超える大規模な施設

・老人ホームとしての動線を考慮して新設されたものでない改修物件

・居室階が5フロア以上ある高層物件

・開設から10年が経過し、重介護者の割合も大きい

という条件が重なったことが、今回の事件の背景あるいは遠因としてあったのではないかと思えてなりません。

弊社は、同ホームを運営する株式会社川島コーポレーションと提携をしておらず、よってご紹介した実績もないのですが同社の系列ホームにはいくつか相談員個人で見学に伺ったことがあり、その際に伺った内容や重要事項説明書など公開されている資料を基に考えてみました。

最後になりましたが、被害者の女性のご冥福をお祈り申し上げます。