有料老人ホームの居室にトイレは必要か問題 | 有料老人ホーム、高齢者・シニア向け住宅を探すなら、紹介センターウィルホームコンサルプラザ


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ウィルホームコンサルプラザのブログ

2016.06.23

有料老人ホームの居室にトイレは必要か問題

居室にトイレは「当たり前」の時代

近年新築で建てられる有料老人ホームの多くは、居室にトイレと洗面設備がついています。お手洗いが自室にあれば、足もとにご不安のある方やスタッフの介助を必要とする方にもご誘導がしやすいことから、有料老人ホームの居室設備としてはほぼ「当たり前」となっています。私たちウィルホームコンサルプラザへのご相談でも「居室にトイレ」は条件として必須とされるご相談者がほとんどです。

一方、企業の社員寮や研修施設だった建物を改修した有料老人ホームでは居室にお手洗いがないところもあります。最近いくつか居室にトイレのない「元社員寮」型の有料老人ホームを見学したのですが、「当たり前のもの」がない違和感は正直、確かにありました。

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居室にトイレがないということは…

見学時に案内してくださった担当の方からもお話を伺い、居室にトイレがないことがご入居者にとって、また現場で働くスタッフにとってどのような問題があるのか、「ないこと」にメリットはないのかなどを質問してみました。

トイレが居室にないのですから、ご入居者は共用のトイレを使用することになります。自室にトイレがあれば家具などを伝いながら自身でトイレに行けるけれど、共用のトイレまでは難しい…という方もおられるでしょう。また、間に合わなかった、衣服を汚してしまわれた…というときも自室内のトイレなら他の入居者の目に触れることはありませんが、共用のトイレでは気づかれてしまうことがあるかもしれません。尊厳にもかかわる部分であり、こういった点は「トイレ無し」ホームのデメリットになるでしょう。

「トイレ無し」にメリットがあるとすれば…

ただ歩行ができる方にとっては一日数回、共用のトイレまで歩くことが結果的に介護予防になっている事例もあります。また共用のトイレは毎日清掃に入りますので清潔な環境を保ちやすいということもあります。

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加えて結果的に居室内事故の減少に結びついているという見方もあります。

居室での事故の中にはトイレに自分で行こうとして転倒してしまう例が多くありますが、これは自室内のわずかな距離なら…とひとりで頑張ってしまわれるのも大きな原因の一つです。居室の扉が閉まっていれば、スタッフが転倒に気づくのも遅れてしまいます。

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トイレが共用であれば、歩行にご不安のある方も行きたいタイミングでナースコールを使ってスタッフに伝える方が多くなると思いますし、仮にご自身で行かれようとした時にもトイレは居室の外ですから、ご入居者にスタッフが気づいて適切なケアを提供できる機会も多くなるでしょう。

 

入居時や月額の費用も「当たり前」の居室設備がないということで割安な設定をしているところが少なくありませんから、ご予算の都合で「トイレ無し」も候補に入れて検討される場合は、以下のことに気をつけてみると良いでしょう。

「トイレ無し」有料老人ホームを選ぶときのポイント

・職員体制と平均要介護度

入居者に対する職員配置が手薄だと、特に職員数が少なくなる夜間帯では、トイレへの誘導や排泄介助といった対応が難しく、おむつ対応の定時交換というカタチになりがちです。また平均の要介護度を伺うことでトイレに介助が必要な方のおおよその人数も類推できます。

「夜間のトイレ介助を必要とされる方がどれくらいいらっしゃるのか、またそのケアはどのように行われているのか」を直接聞いてみるのも良いでしょう。(このあたりは入居相談員さんよりホーム長など現場スタッフの方がより詳しい説明を受けられると思います)

・共用のトイレは何か所あるか、居室からの距離は?

フロアごとのトイレの数がわかれば、1か所あたり何人の入居者を想定しているのかがわかります。また歩行ができる方であれば、検討している居室と共用トイレまでの距離も確認しておきましょう。

・トイレは男女別か男女共用か

特に女性は、男性と共用のトイレに抵抗のある方が多いと思います。ホームによっては、女性入居者の比率が多いことを考慮して、フロアに4つある共用トイレの3つを女性用、残りのひとつを男性用としているところもあります。

まとめ

身の回りのお世話というサービスを提供する有料老人ホームの性格上、居室にトイレはあった方が良いとは思います。ただこれはホームを選ぶ際の「モノサシ」のあくまでも一つです。

社員寮等を改修した有料老人ホームは、介護保険制度がスタートした2000年の前後5年くらいの間の開設が多いという背景もあって、実績や経験といった「ソフト力」に優れたところも多いのです。開設当初からのベテランスタッフが多いことや、協力医療機関との連携がしっかり取れていることでトータルの顧客満足度が高い「トイレ無し」ホームもあります。

「居室にトイレがない」という点を補うことのできる、どのようなセールスポイントがあるのかという視点で、「トイレ無し」ホームにも見学に行ってみませんか。お勧めホーム情報もしっかりそろえてお問い合わせをお待ちしています。