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2016.08.08

有料老人ホームの食堂は各階にあるべきか問題

有料老人ホームの食事は、食堂で召し上がるところが大半ですが、食堂の配置については大別すると大食堂型と各階配置型の2つのパターンがあります。

大食堂型とは

大食堂型は1階または最上階にあることが多く、入居者の皆さんはお住いの各階から食事の度に降りて(または昇って)食堂に集まり、皆さんでお食事をいただきます。

1階のレストラン「赤レンガ」。外食に来たような雰囲気ですね。
レストラン風のダイニング(横浜市の有料老人ホーム)

「ダイニング」や「レストラン」と言ったほうがふさわしいような専用のスペースを設けているところもありますが、テーブルやいすを適宜片付けるなどして行事やイベント、リハビリなど多目的に活用しているところの方が多いのではないかと思います。

採光が入り、明るい食堂。 お食事も進みそうですね!
各階からご入居者が集まります(川越市の有料老人ホーム)

このタイプでは入居者が一か所に集まるため、配膳や食事介助、食後の服薬などで職員を効率的に配置しやすく、見守りなどもスムーズに行いやすいため安全・安心度が高くなります。また広いスペースで気持ち良く食事ができることや、気の合わない人とは離れて座れば顔を合わせないで済むことなどもメリットになるでしょうか。

問題は移動時の混雑です。車いすの方など、食堂までの移動に介助が必要な方の割合が多いホームや、エレベータが1基だけのホームでは特に、上下階の移動が食事の度に必要となる大食堂型の場合どうしても混雑しがちです。15人乗りの大きなエレベータでも、車いすの方の移動では介助の職員を含めて5人程度しか乗り降りできません。結果、食事の前後はエレベータ前に行列ができるホームもあります。

先に召し上がる方、後から召し上がる方に分けるなどホーム側で喫食時間を調整したり、車いすの方や食事に介助を必要とされる方は同じフロアにご入居いただき、該当階に小食堂を別途設けるなどして対応しているところもあります。

大食堂型ホームでの見学ではエレベータの台数や、どのような混雑回避対策が取られているか、確認しておくと良いでしょう。極端な例ですが、食事の度の上下階移動介助が職員にとって負担になるという理由で、朝、朝食で食堂にお連れしてから、夕食を召し上がり終わるまで、日中は入居者に原則ずっと食堂にいていただく、という有料老人ホームもあります。

各階配置型の利点とは

一方、居室のある各階に小さな食堂スペースを設け、原則同じ階の皆さんで食事を召し上がっていただくホームもあります。食事の時間以外はリビングとして、日中のくつろぎスペースになっていることが多いです。

食堂が各階にあっても、調理する厨房が各階にあるわけでは当然ないので、各階配置型の有料老人ホームでは「温冷配膳車」を使って厨房から各階まで食事を運ぶことになります。

ロイヤルレジデンス新座 2階食堂
各階配置型の食堂(新座市のサービス付き高齢者向け住宅)

最大の利点は食事の度に上下階の移動がないことです。エレベータを利用しての「待ち時間も含めた長距離移動」は難しくても、自室から杖や手すりなどを使って同じ階の食堂までなら行けるという方であれば、日に3回、歩行の機会も生まれます。また同じ階の少人数で食事を召し上がることで、家庭的な雰囲気も生まれやすい点もメリットですね。

限られた人数のスタッフが、フロアの数だけ分断されることになる点は注意が必要ですが、この各階配置型の有料老人ホームは、身体状況に応じたフロア分けを行っているホームが多く、大半のホームではお手伝いの必要な方のフロアにより多くのスタッフを配置するなどの工夫が取られています。

各階配置型ではこの「フロア分けの実施の有無」とそれに伴う「必要に応じた職員配置」がどのようになされているか確認すると良いと思います。

一日三回のお食事を、「どこでどのように」召し上がっていただくのかという問題は、頻度が多い分、より重視したい項目です。見学のときにはこのような点にもどうぞ注意してみてください!