有料老人ホーム選びの落とし穴(10) 有料老人ホーム紹介センターの「落とし穴」 | 有料老人ホーム、高齢者・シニア向け住宅を探すなら、紹介センターウィルホームコンサルプラザ


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2016.06.09

有料老人ホーム選びの落とし穴(10) 有料老人ホーム紹介センターの「落とし穴」

さて、「落とし穴」というキーワードで綴ってまいりました本シリーズも今回が最終回となります。最後のお題は「有料老人ホーム紹介センター」としたいと思います。

有料老人ホーム選びの「強い味方」

有料老人ホーム紹介センター(以下、紹介センター)とは、民間の高齢者施設への入居相談を受け、希望に沿った施設を第三者の立場で紹介する事業者です。

入居に関する相談や希望施設の資料の取り寄せ、見学への同行や入居契約への同席など、入居にまつわるモロモロのサポートが受けられることから、民間高齢者施設が爆発的に増えた介護保険制度施行以降、紹介センターの事業者数もまた大きく増加しています。現在は首都圏だけでも100社を超える事業者がいるといわれています。

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「相談無料」の落とし穴

紹介センターの多くは有料老人ホーム運営事業者との間で、紹介案件が成約に至った場合の手数料額や支払い方法などを定めた「業務委託契約」を結んで相談者にホームをご紹介、成約時に契約内容に応じた紹介手数料を受け取ることで事業を運営しており、相談者からは費用を徴収しないところが多くなっています。入居相談や見学同行などのサービスが無料で受けられるのは相談者にとっても大きなメリットですが、ここに「落とし穴」があります。

「無料と聞いていたのに費用を取られた」といった類の話ではありません。紹介センターが成約時に受け取る手数料額が、有料老人ホーム運営事業者によって違うことによる「落とし穴」です。

AB二つの候補ホームがあり、希望条件に合わせて総合的に考えればAの方が望ましいケースで、Bの紹介手数料がAの倍だったとき、信念を持ってAをお勧めできる紹介センターばかりではないのではないかということです。大事な自身のあるいはご家族の入居先が、紹介センター側の手数料という都合で決まってしまうとしたら問題だと思いませんか。

紹介センターの中には相談員に紹介手数料の一部を歩合として支給しているところもあります。自らのフトコロに直結する状況で、プロフェッショナルとしての信念と誇りを優先できなかったとしても不思議ではありませんね。特定のホームばかりを盛んにお勧めする紹介センターの相談員さんがいらっしゃったら、少し疑ってみても良いかもしれません。

紹介センター相談員には資格が要りません

もうひとつの「落とし穴」が相談員の資質です。介護や医療の現場では医師や看護師、介護支援専門員(ケアマネジャー)など資格が必要となる職種が多くありますが、紹介センターの相談員には資格が要りません。

相談員としての業務経験が長ければ良いというものでもないですし、介護施設などの現場経験者として優れた経歴を持っていても紹介センター相談員としての資質はまた別だったりしますので、相談者側からみると「この人(紹介センター)にどこまで頼って良いのだろう」という判断が、非常に難しいということになります。

・質問したことに対して的確で適切な回答がない

・連絡や資料送付など約束した期日が守れない

・話してばかりで聞いてくれない

・身なりや態度が不快で人として信用できない

など不信を感じたら、別の紹介センターにあたってみるのも一つの方法だと思います。何しろ冒頭に申し上げたとおり、紹介センターは首都圏だけで100社以上もあるのですから。

見学の「手配」をいたします?

では数多ある紹介センターの中から、どのように選んだらよいでしょうか。ひとつの目安として「見学への同行」を挙げたいと思います。

ほとんどの紹介センターではパンフレットやホームページで「ご相談の流れ」について記載しています。ここをよく見てください。施設見学の項で「見学の手配をいたします」と書かれている紹介センターが最近増えています。

見学に同行するのではなく、「○月□日の△時に●●さんという方がそちらのホームへの見学を希望しています。対応よろしくお願いします」という連絡を電話やメールでホームに入れ、●●さんには「当日は入居相談員の誰それさんが現地で対応してくださることになりましたのでお気をつけて行って来て下さい」と連絡を入れるのが「手配」です。

この「手配」なら電話とメールがあれば自宅や出先などで済ませることもでき、事務所に出勤する必要すらありません。また要介護の方の相談案件の見学は、息子様や娘様など現役で働いている世代が中心になることもあって週末の見学を希望する方が多いのですが、見学に同行しないのであれば同じ日の同じ時間に何件も「手配」することができます。紹介センター側にとって非常に効率が良いのです。

では親の介護に直面して、初めて有料老人ホームなどの高齢者施設に見学に行かれる方が、現地で何を見て、何を聞き、どこを確認したらよいかおわかりになるでしょうか。複数の施設を見学して比較するための「モノサシ」が何かを踏まえて見学することができるでしょうか。増してやこの連載でお伝えしてきたとおり、有料老人ホーム選びにはあちらこちらに「落とし穴」があるのです。

これが「見学同行」の有無を、数ある紹介センターを選択する大きな材料として挙げた理由です。見学同行に別途料金がかかる紹介センターもありますが、頷ける部分もあります。プロフェッショナルとして責任を持ってご案内するためにも、個人的には費用をいただいて良いサービスだと思うこともあります。

紹介センターにも得意不得意があります

◎エリアによるもの

多摩エリアに強い、千葉県内の施設に特化しているなど地域によるものです。強い地域では紹介実績が豊富なので、入居後のご本人や家族からの評価なども反映させた具体的な提案ができます。

◎相談案件の情報源によるもの

たとえば医療機関経由での相談案件が多い紹介センターでは、入居後も医療的な処置が継続して必要な方も多く、そのようなサポートが受けられるホームの情報が手厚くなります。また退院期日が差し迫ってからの相談も多いため、相談から入居までのスピードが早いホームについても詳しい傾向があります。

インターネットからの問合せが多い紹介センターでは地域や身体状況を問わず幅広い相談が入るため、オールラウンドな強みを持ったところも多いです。PCを使うご本人からの問合せが多いのも特徴で、自立者向けの高級ホームの紹介実績が豊富というところもあります。

パソコンおじさん

◎スタッフ体制によるもの

社会福祉士やケアマネジャーなどの業務に関連する資格を持った相談員を配置している紹介センターがあります。また現場での勤務経験を重視するところもあります。資格や経験が相談員の資質に直結するかどうかは置くとして、専門的な知識や経験が活かせる点はメリットになります。

また宅建資格を持った相談員を配置することで、ご自宅の売却など不動産関連の相談も総合的に受けられる強みを持った紹介センターもあります。

シリーズまとめ

10回にわたって連載してまいりました本シリーズも今回で最終回となります。代表的な「落とし穴」を選んでご紹介してきました。有料老人ホーム選びもなかなか難しいものだとお感じになっていただけたのではないでしょうか。

有料老人ホーム選びに何よりまず必要なのは「準備・備え」です。落とし穴にはまらないように、ポイントをしっかりと把握して本シリーズの記事をより良い有料老人ホーム選びをしていただく際の参考にしていただければ幸いです。

(参考)ウィルホームコンサルプラザでは…

最後に、ウィルホームコンサルプラザはどんな紹介センターなのか気になる方もおられるかもしれませんね。

私たちウィルホームコンサルプラザは相談員2名の小さな紹介センターですが、個々のご相談を丁寧に承ることを基本姿勢としています。

特にご相談を承る「面談」と、施設見学時の「同行」を大切にしています。どれほど立派なホームであっても、また今お住まいのご自宅がどれだけ古くて段差があって危険だったとしても、住み慣れた自宅はご本人様にとって代えがたい「ホームグラウンド」です。そのホームグラウンドを離れて「アウェイ」の環境に身を移すという話ですから難しいのは当たり前です。

面談のときには希望条件を「どうしても譲れない」条件と、「目をつぶっても良い」条件に分けて、言葉は不適切かもしれませんが、「ココなら妥協できる範囲内」というホームの中から、できるだけ条件に近いホームをご一緒にお探しします。100点満点のホームというのは、ご自宅が「ホームグラウンド」である以上、探すのは難しく、また100点満点にこだわってしまうと、ホームの良し悪しを見る目がどうしても曇ってしまいがちになると思います。

また見学への同行ですが、これもただ見学の列の後ろにくっついているだけでは同行とは言えません。ご相談者様の多くは老人ホームの見学など初めてという方です。そのようなご相談者様に代わって、見るべきもの、確認すべきことをお伝えしながら進めていく必要があります。また「言った言わない」を未然に防ぐことも大切な役割だと考えています。

「見学のときにそうだと言ったじゃないか」

「いえ、そのようなことは申し上げておりません」「そのような意味で言ったわけではありません」「誤解を招いたとしたらその点は謝罪いたしますが、そのサービスが別途有料であることは契約書にきちんと書かれており、ご署名・ご印鑑もいただいております」

といったやり取りが、入居後に相談者様とホームとの間であったとしたら、私たちが見学に同行する意味がありません。

「パンフレットに無料と書かれているこのサービスは、回数に制限がありますか」「夕食は17時半からとありますが、その時間に見たいテレビ番組があった場合、見終わった18時に食堂に降りても大丈夫ですか」と細かい(けれど気になる)内容を見学のその場で確認すれば、

「月に2回までは無料ですが、3回目からは1回につき○○円です」や、「夕食は17時半からですが、19時までに降りていただければ大丈夫です」といった回答が得られ、それはご相談者様も私も聞いていますから、後で「その話は見学の際に私から質問し、このように回答いただきました」とお伝えすることができます。見学の列の後ろにくっついているだけの「同行」なら誰でもできますが、ご相談者様に代わって、見学の「質」を上げることはプロでないとできないはずです。

同行は入居契約の席でも承っています。ホーム運営会社の中には、甲でも乙でもない「第三者」の同席を認めていないところもあるので100%ではありませんが、ご相談者様から希望があり、ホーム側もOKだということなら、契約への同席はこちらからお願いしたいくらいです。理由は見学時の同行と同じです。確認すべきところは確認し、曖昧なところははっきりさせなければいけないと考えているからです。

どうぞお気軽に、そしてどうか安心して私たちウィルホームコンサルプラザにお問い合わせください。ご連絡お待ち申し上げております。