有料老人ホームの費用を実践的に考える(1) 食費編
有料老人ホームを選ぶときに最も気になることといえばやはり費用のことではないかと思います。
そこで今回から何回かにわたって、有料老人ホームの費用を、より実践的な視点で考えるシリーズを連載します。
第一回目は「食費」についてです。以前、シリーズ「有料老人ホーム選びの落とし穴」(2)でも触れたことがありますが、今回はより詳しく見ていきたいと思います。
食費=食材費+厨房管理費
有料老人ホームの食費は、月額5~6万円台の設定としているところが多くなっています。一日三食×30日ですので、食費が6万円となっているホームなら一日あたり2,000円ということになります。少し高いなあとお感じになられた方もおられると思いますが、この食費の中には食堂の人件費や厨房業務の維持のための「厨房管理費」が含まれています。
この「厨房管理費」に注目すると食費がよりくっきり見えてきます。
埼玉県川口市にあるAB二つの介護付有料老人ホーム。運営会社は異なりますが入居時費用は同じ480万円、月額はAホームの方が16,000円ほど安いのですが、食費はどちらも税込64,800円となっています。
しかし食費は細かく見ると内訳が違っていました。
Aホームは 食材費29,160円+厨房管理費35,640円=食費64,800円
Bホームは 食材費51,840円+厨房管理費12,960円=食費64,800円
今回は費用に絞ってお話ししますので、食材費の違いによる食事の質には触れませんが、気を付けたいのは長期入院などでホームでの食事を欠食する回数が増えた場合です。
厨房管理費は欠食しても返還されません
わかりやすいように入院でひと月まるまるホームでの食事を召し上がらなかった場合でご説明しますと、欠食分として返還されるのは、Aホームでは29,160円、Bホームでは51,840円ということになります。厨房管理費は喫食数に関わらず返還されないのです!
入院期間中はホームでの月額費用と病院での入院費がダブルでかかってきますので、負担が大きくなります。少し細かい話になりますが、欠食時の食費精算の取り扱いについては、ぜひしっかり確認することをおすすめします。