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2016.05.06

有料老人ホーム選びの落とし穴(5) 新規オープン施設の「落とし穴」

10回シリーズの「有料老人ホーム選びの落とし穴」も今回で折り返しの第5回となります。今回は…

新規オープン施設の落とし穴

についてお話しいたします。新しくできたばかりの施設に落とし穴なんてあるのでしょうかと疑問に思われる方もおられると思いますが、あるんですよ。

一年ほど前に本ブログで「やっぱり新しいホームを選んだ方が良いのでしょうか」というタイトルの記事を投稿しました。詳しくはそちらをご参照いただくとして、概略でもうしあげると以下の3点の理由から、新規オープンホームを選ぶ際は慎重に検討することをおすすめする内容です。

・入居者がこの先、順調に増えていくかがわからない

・オープン直後はスタッフの退職も多い

・「その職場+そのメンバー」での経験値が低い

新しくできたホームは広告などでの露出も多く、入居を検討している方の目にもつきやすいので、上記の注意点を考慮せずに入居を決めてしまうと「落とし穴」になってしまうことも少なくありません。

新規オープンホームの魅力

とはいえ、やはり新しくできたばかりのホームには魅力もありますね。建物はどこもピカピカでキレイですし、お部屋も前の入居者がいた「中古」ではなく自分が初めての利用者になれます。設備も最新のものが導入されていることが多いですね。また何といってもオープンしたてならまだ充分な空きがあり、気に入った居室を選ぶことができます。

新規オープンの施設を上手に選ぶことができれば、メリットが多いのもまた事実ではあるのです。そこで今回は「落とし穴」を避けるためのコツについても触れたいと思います。

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注意点を反対側からみてみましょう

新規オープンの施設を選ぶときの注意点として挙げた3つの要素を、ひっくり返して見てみることにそのヒントがあります。

まず「入居が順調に今後、推移していくのかどうかが不明」ですが、これは予約・申し込み状況を確認することです。居室の予約には手付金やキャンセル時の違約金がかからない「仮申込」というシステムをとっているところが多く、予約状況と実際の契約状況にズレがあるケースもありますが、おおよその指標にはなるでしょう。

介護付有料老人ホームの場合は前回の記事で触れた職員体制が決まっていますから、現状のスタッフの数から今後の入居状況を推しはかることもできます。満室時に必要なスタッフの数が、開設して間もない時点ですでにほぼ揃っているようであれば、満室を近い将来に見込んでいるということになるでしょう。

ホームはやはり「人」です

またオープン直後に退職が多くなる点についても、判断材料はあります。ひとつはホーム長がどのような方かを見ることです。過去の投稿「私たちが見学のときに確認していること(1)」でも触れましたが、ホーム長がどのような方かというのは、現場で勤務するスタッフにとって大きな要素となります。

ホーム長が入居者と同じくらいスタッフにも目を配っている方かどうか、過去の経歴なども含めて聞いてみると良いでしょう。そのためにも見学時にはホーム長の出勤している日を事前に確認の上、アポイントを取って訪問するようにしてください。

またスタッフが働きやすい職場環境かどうかもチェックすると良いでしょう。スタッフにとって、

・働きを正当に評価してもらえる人事考課のシステム

・実力を磨く研修・学びの場

・給与、休暇などの待遇

は、魅力ある職場のために欠かせないポイントではないかと思います。そのうち最後の待遇は、面接・採用のときに同意して入職しているはずですので、特に前の二点について、やはりホーム長に聞いてみると良いでしょう。スタッフの評価も大切なホーム長の仕事だからです。一般の介護・看護職員として入職した後、昇格を経てホーム長になった方であれば、その経緯を伺うことも参考になるでしょう。

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系列ホームからの採用

また「その職場+そのメンバー」での経験値ですが、「その職場」はどうしようもないのですが、「そのメンバー」については系列ホームからの異動人事によってカバーできる点もあります。

近隣に複数の系列ホームを持っていることがひとつの目安となりますが、ある新規オープン施設の内覧会では、6割が系列ホームからの異動スタッフだったことがあります。それぞれのスタッフがお互いの「実力」を把握していれば、「その職場」での経験値の低さをカバーしやすくなるのではないかと思います。

まとめ

以上、今回は「新規オープンホームの落とし穴」とその回避のためのポイントについてお伝えしました。以下、まとめです。

(1)新築でキレイ、最新の設備も整い居室も選びやすい…と一見いいことづくめの新規オープンホームにも「落とし穴」があること。

(2)落とし穴は大別して3つ。

・入居者がこの先、順調に増えていくか分からないこと

・開設直後は退職者が多いこと

・「その現場+そのメンバー」での経験値が低いこと

(3)新規開設ホームを見極めるポイントは

・入居申込状況を確認、現在の雇用スタッフ数で類推することもできます

・ホーム長がどのような方かを経歴も含めて確認しましょう。職員にとって働きやすい職場かどうかは、ホーム長自身も判断材料になります。

・系列ホームからの異動スタッフの割合が多ければ、お互いの力量を把握して業務にのぞむことができ、チームでのケアもまとまりやすい。

今回はこのあたりで。次回は「リハビリについての落とし穴」をお届けいたします。どうぞお楽しみに!