重要事項説明書の「読み方」講座(5) サービスの内容(前編) | 有料老人ホーム、高齢者・シニア向け住宅を探すなら、紹介センターウィルホームコンサルプラザ


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2016.12.06

重要事項説明書の「読み方」講座(5) サービスの内容(前編)

さて今回は、肝心な「サービス」について記載されている項目について見ていきます。分量が多いので前後編に分けて解説いたします。

類型による記載内容の違い

この項目については主に介護保険を利用したサービスについて記載されていますが、この点は「介護付」と「住宅型」で記載内容が異なります。介護付有料老人ホームが、有料老人ホーム自体が介護保険事業者となって自ら介護サービスを提供するのに対し、住宅型有料老人ホームは介護保険サービスを外部の事業者が提供するからです。

介護付有料老人ホームでは、食事介助・入浴介助・排泄介助など、自らがどのような(介護)サービスをどのように提供するのかが記載されていますが、住宅型有料老人ホームではこの部分を飛ばしています。有料老人ホームの重要事項説明書ですから、外部の事業者がどのようなサービスを提供するか、記載する必要がないのです。

(参考)

多くの住宅型有料老人ホームでは居宅介護支援事業所や訪問介護事業所が同建物内に併設されていますが、入居者にとってはあくまでも選択肢の一つであって、外部の別会社の事業所と契約してサービスを受けることができます。この点は住宅型有料老人ホームのメリットにもなる部分です。

なお介護付有料老人ホームの場合の、具体的なサービス内容については、重要事項説明書の添付資料として「介護サービス等一覧表」に細かく記載されています。要介護度別に、介護保険に含まれるサービスと、都度徴収するサービスとが明記されています。

例えば週2回までの入浴介助サービスは「介護保険に含まれるサービス」の欄に、それ以上の入浴介助は「都度徴収するサービス」というような感じです。基本的に介護付有料老人ホームでは介護サービスが要介護度別に「ひと月いろいろひっくるめていくら」という風に定額になっていますので、排泄介助が〇回あったから今月はいくら…という計算をしません。大半の介護サービスは「必要に応じて適宜」と記載されていますので、「都度徴収するサービス」がどれなのかを見た方がわかりやすいでしょう。

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医療機関との連携・協力

有料老人ホームではどこでも「協力医療機関」が定められており、その概要について記されています。定期的な訪問診療でホームに来てくれるクリニックや歯科医院のほか、多くの診療科目を持つ地域の総合病院とも契約を締結しているホームもあります。

訪問診療のクリニックは内科メインのところが多いですが、高齢者の需要が多い皮膚科や整形外科、精神科などをカバーしているところもあります。入居後も定期的な受診が必要な科目をお持ちの場合は、訪問診療医にどこまで診てもらうことができるのかこの欄でも確認しておくと良いでしょう。

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また協力医療機関は、入居者の需要によって契約先を追加したり変更したりということが結構あります。手元の重要事項説明書が古い場合は、あらためて最新の情報を確認することをお勧めします。

有料老人ホームが医療機関ではない以上、医療サービスを自ら提供できるわけではないのですが、この協力医療機関との連携がしっかりできているかどうかは、日常の健康管理や退院後のケアはもちろん、夜間など緊急時の対応や最期のときを迎えるときの「お看取り」など、ホームの「総合力」に大きく関わります。

協力医療機関についてのチェックポイント

協力医療機関について確認しておきたいポイントをまとめてみました。上記の記事とも一部重複しますが以下のとおり挙げておきます。

・協力医療機関はどこか

(訪問診療のクリニックとの提携は大半のホームでなされています。外来受診型の病院とも提携している場合は、診療科目とホームからの距離を確認してください。)

・訪問診療の先生が必要な診療科目をカバーしているか

(本文記事のとおりです)

・通院時の付添と送迎は?

(介護付有料老人ホームの場合、協力医療機関への通院介助は原則介護保険サービスに含まれますが、半径○km圏内…などの条件のもと、他病院への送迎も無料で行うホームがあります。なお住宅型有料老人ホームの場合の通院介助サービスの提供はホーム側の任意です)

・訪問診療は先生が居室まで?ホールなどに入居者が出向く?

(お一人づつ訪室して診るところが多くなりましたが、健康管理室や多目的ホールに集まった入居者を、先生が順番に診るというところも以前は結構ありました)

・協力医療機関の看取りの実績は

(お看取りは本来、ホームとご家族、医療機関の三者がしっかりと信頼関係を構築していないと円滑にできませんが、協力医療機関での実績数は、ひとつの指標になります)

・先生が「合わなかった」ときは?

(複数の訪問診療所と提携しているホームもありますし、クリニック内でもたとえば「同性の女医さんがいい」などのリクエストに応えられるところもあります)

では今回はこのあたりで。次回は「サービスの内容」(後編)となります。