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ウィルホームコンサルプラザのブログ

2017.03.21

入居相談員は資格保有者であるべきか問題

ひさしぶりの「べきか問題」シリーズです。今回は有料老人ホーム等で入居相談や見学案内を担当する「入居相談員」をテーマに考えてみたいと思います。

入居相談員さんの中には、介護の現場での勤務経験があり、介護職員初任者研修(修了:旧ホームヘルパー2級)をはじめ、介護福祉士や社会福祉士、介護支援専門員(ケアマネジャー)などの資格をお持ちの方がおられます。

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現場で働いてきた経験を持っているからこそ、入居相談の際に伝えられることはやはりあるもので、先日の見学同行でも「夜間の定期巡回時の訪室のときに起こしてしまわないように気を遣う」や「廊下を歩くときのかすかな音で目を覚ましてしまう方もおられる」というエピソードを披露してくださった入居相談員さんがおられましたが、これなどは現場経験がないとなかなかわからないものですね。(そういった現場の声を受けて、ベッドにつけたセンサーで睡眠の深度など状況を把握し、訪室のタイミングを考慮できるシステムを導入した…という話でした)

また例えば認知症の周辺症状に困っておられるご家族からご様子をお伺いするときにも、現場経験に基づく実践的な知識を持っていれば、医学的な「診断」はできなくとも、その行動にどのような理由があるかを考えたり、どのように接すれば不穏な状態を回避できるか想像したり、自分たちのホームでどのようなやり方でどのようなお世話ができるかを具体的に案内・説明することもしやすいと言えます。

では、やはり入居相談員は現場資格を保有しているべきなのでしょうか。

私たち紹介センターの相談員は、仕事上多くの入居相談員さんと接します。見習いたいと思うくらい素晴らしい入居相談員さんも少なくありませんが、彼ら・彼女らの全てが資格保有者かというと実はそうでもありません。ホテルや飲食業界などの異業種から転職して来られた方もいれば、同じ会社の別部署から異動して来られた方もおられます。また業界経験年数も長短さまざまで、その意味では資格保有や現場での勤務経験は入居相談員の少なくとも「必須条件」ではないように思います。

では良い入居相談員の資質とはなんでしょうか。私なりに考えてみたのが以下の3要件です。

(1)聴き上手であること

ご相談者が何に困っているのか、そしてホームに何を求めているのか…をしっかりとヒアリングできるかどうかは一番のポイントです。

「なんだそんなことか」と仰るなかれ。ホームの特長や競合ホームと比較しての優位点など、いわゆるセールスポイントを「話す」ことに夢中で、ご相談者のお話を「聴けない」方も実はおられます。

何から話したらよいか、頭の中も混乱してうまく説明できないご相談者も少なくない中、上手にお話を引き出して差し上げることで、曖昧だった希望条件や優先順位も整理されるケースは少なくないはずです。

(2)現場とのコミュニケーションが上手であること

入居相談員さんはたいてい、自分の担当ホームをもって動いておられます。担当ホームの施設長や介護・看護のリーダーさんをはじめとする現場スタッフの皆さんとコミュニケーションが円滑に取れることがもうひとつの資質です。

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(1)でさまざまなご要望や優先すべき事項をしっかりとお聴きできていれば、仮に現場経験や知識がなくとも「持っている人」に聞くことはできますよね。また自分が担当してご入居された方が、入居後どのように暮らしておられるかを現場のスタッフとのコミュニケーションで把握できれば、それはご相談者へのトークにも活かすことができます。

(3)学ぶ姿勢を持ち、向上心が旺盛であること

老人ホームの入居相談員業務は、担当するホームのことだけを知っていれば良いわけではありません。

競合する近隣ホームについての知識はもちろん、介護保険制度のこと、病気や薬について、リハビリや看取りなど個々のご相談に合わせた情報や知識…また場合によっては生活保護などの社会保障制度や、成年後見制度など、高齢者の住まいとは別の知識が必要になるケースもあります

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「学べば学ぶほど、いかにまだ知らないことがあるか気づかされます」と仰った入居相談員さんがおられましたが、実感でしょう。

あらゆるジャンルの知識に精通することは難しいかもしれませんが、学ぼうとする姿勢をもっていることで、誰に聞けばわかる、どこをあたれば調べられるといったことがつかみやすくなります。

…とここまでお伝えしてきたことは、実は私たち紹介センターの相談員に必要な資質でもあるように思います。

上記の3要件は、私たちも常に意識しつつ、毎日の業務にあたりたいと思います。