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2020.02.20

「グループホーム」を入居検討先としてどう選ぶべきか問題

グループホームという選択肢

 

民間が運営する高齢者の住まいは有料老人ホームだけではありません。近年では安否確認と生活相談のサービスが付いた「サービス付き高齢者向け住宅」(=サ高住)がその数を増やしていますが、他にもグループホームという選択肢があります。

「名前だけはよく聞くけれど…」という方もおられるかもしれません。今回はこのグループホームを入居先の検討時にどう選ぶかについて考えてみたいと思います。

 

認知症の診断が下りていないと入れない

 

グループホームは介護保険制度上は「認知症対応型共同生活介護」といい、その名のとおり認知症の方のための住まいです。入居の要件として医師による認知症との診断を必要としており、「最近少し物忘れが多いようだ、おそらく認知症なんだろう」といったご家族など周囲の方の主観だけでは入居することができません。

 

要支援2以上の方が入居対象

 

また要介護度による入居条件もあり、要支援2以上の方が入居対象です。これは入居後の介護保険の更新で「要支援1」や「非該当」(=自立)になってしまった場合は利用ができないということでもあります。食事や排せつ、入浴などのケアは必要に応じて提供されることになりますが、介護費用は要介護度別に定額となっており、要介護2だと○○円、要介護3になると△△円…となっています。この点は特別養護老人ホームや介護付有料老人ホームも同じですね。

 

地域密着型サービスとなっています。

 

有料老人ホームと異なりグループホームは介護保険上、地域密着型サービスに分類されており、原則住民票のある自治体に所在するホームにしか入居ができません。新宿区内にあるグループホームは新宿区民が入居対象ということですね。

但し自治体によっては「ただ住民票さえあれば良い」わけではないこともあります。少し脱線しますが、実際にあった事例をご紹介します。

A市で一人暮らしをしている認知症の診断を受けた要介護2のお母様について、息子様の住むB市に住民票を移してB市内のグループホームへの入居を打診したところ、B市から「B市民として半年以上の歴が必要」と回答されたことがありました。他市の事例では半年が「3か月以上」だったケースもありましたし、「入居日までに住民票が移っていれば可」と回答した市もありました。

地域密着型サービスは「A市のグループホームはA市民のもの」とするためのものですから、他市から入居を希望する市に住民票を移せばその市のグループホームを利用できるとなると趣旨に反するということですね。このあたりは自治体によって差があるので、入居を検討するときに確認しておくと良いでしょう。

 

具体的にグループホームを入居先として考える

 

・認知症の診断を受けた

・要支援2以上の方で

・住民票のある市区町村のグループホームへ入居希望

という条件があればグループホームへの入居を検討できるということになりますが、特別養護老人ホームや有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅との違いはどこにあるのでしょうか。

 

 (1)5人~9人からなるユニット

グループホームの特徴の一つがこの「ユニット」です。グループホームではこのユニットごとにリビングダイニングや浴室、トイレ・洗面を設けることとされています。

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ユニット数は2ユニット(東京23区など一部地域では3ユニット)が上限となっており、最大でも定員が27名と小規模な造りになっています。居室はすべて個室ですが、トイレや洗面は居室内にないところが多くなっています。特にトイレは居室についていないところがほとんどと言って良いでしょう。

また浴室は、有料老人ホームなどで一般的にみられる「機械浴槽」(浴槽を跨ぐことができない方、浴槽で座位を保つことが難しい方を対象とした浴槽)が付いていないところも多く、前述のような方は浴槽に入らず、シャワーで体を洗い流す「シャワー浴」で対応することになります。

(2)看護職は不在?

特別養護老人ホーム(特養)や介護付有料老人ホームでは配置が義務付けられている看護職員ですが、グループホームには配置基準がありません。従って多くのグループホームでは看護職員は不在ということになります。医師の指示の下で定められた医療行為を提供できる看護職員がいないということは、インスリンの投与やたんの吸引などの医療行為が必要な方は入居できないということになります。

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なお同建物内でデイサービスを併設している場合は、デイサービスに看護師の配置が必要なことから、デイサービスの営業日・営業時間内に限り看護職員が在籍していることもあります。但しこれはあくまでもデイサービス事業所に所属する看護職ですので、多くを期待することは難しいでしょう。

(3)居室にはトイレなし?

グループホームの居室は相部屋ではなくすべて個室です。自分の空間ですから家具類などを持ち込めるということになりますが、有料老人ホームの大半で居室に備え付けとなっているトイレ・洗面などのいわゆる「水回り」は、グループホームでは付いていないところがほとんどです。

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各居室にトイレ・洗面を設けることによるコストの問題に加え、便器内におむつや下着など、「流してはいけないもの」を流してしまわれるリスクがあることを施設側が懸念してのことかもしれません。グループホームでは前述の「ユニット」ごとに共用のトイレが設けられています。

(4)前払金(入居金)は不要?

グループホームの多くは入居時の前払金が不要ですが、家賃の2~3か月分を「敷金」として徴収するところは結構あります。東京都内や近郊では15万円~30万円前後くらいが目安でしょうか。この敷金は、入居中に月々のお支払が滞ったときの精算に使われるほかには退去の際に原状回復費用を除いて返還されるお金ですから、有料老人ホームで見られる前払金と違い、入居月数によって償却されてしまうことはありません。

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なお月額は家賃・共益費・食費を合わせた「月額利用料」がホームにもよりますが13-17万円前後、このほかに介護保険自己負担分(要介護5・自己負担割合1割の方で27,000円前後)や訪問診療による医療費や薬代、オムツなどの消耗品費が別途必要となりますので、実際の費用は(介護保険自己負担割合が1割の方なら)月額利用料に3万円~5万円ほど上乗せして検討すると良いと思います。

(5)夜間の職員体制

グループホームでは夜間および深夜の時間帯を通じて、介護従事者としての夜勤職員を1名以上配置することとなっています。

特別養護老人ホームでは、現在7割超を占める「ユニット型特養」の場合、夜間は2ユニット(1ユニットは10人以下)ごとに1名以上の介護または看護職を置くこととなっています。

また介護付有料老人ホームでは「常時介護職を1名」ですから、24時間いつでも介護職が一人以上は在勤していればよいことになりますが、一般的なホームでは入居者20名~25名ごとに1名の介護職員を配置していることが多いのではないかと思います。グループホームを含め、上記の3施設は夜間も含め必ず介護または看護の職員が在勤しているということになります。

夜間誰も介護看護職員がいない可能性がある(いなくてもお咎めがない)のは、高齢者施設の中では住宅型有料老人ホームとサービス付き高齢者向け住宅です。どちらも高齢者のための施設ですから多くは夜勤の職員を配置していますが、この2か所を見学・入居先として検討される場合は、夜間の職員体制を確認するようにしましょう。

(6)空きはあるの?

グループホームの多くは定員が18名で、都内など一部地域でも最大定員が27名という小さな規模の施設ですから一度満室になるとなかなか空きが出ないというイメージがありますが、実際はそうでもありません。

「地域密着型」なので私たちも、板橋区民の方からのご相談があれば板橋区の、新宿区の方であれば新宿区内のグループホームを一件ずつあたって空き状況を問い合わせるのですが、区内のグループホームが一軒残らず全施設満室だったということは意外にそう多くありません。また待機者が数名いるというグループホームもありますが、同じ方が区内のそれぞれのホームに掛け持ちで待機されていることも多いのです。つまり4件の施設に待機申込をしている方が一人いれば、区内グループホーム全体の待機者数は4人になるということですね。

 

グループホームも検討先に加えてみては?

 

いろいろな角度からグループホームをご紹介してきましたが、何をお伝えしたいかというと、要支援2以上で認知症の診断を受けた方であればグループホームも検討先の一つに加えてみてはいかがでしょうかということです。

居室にトイレがないことや看護職員が不在であることが希望条件に合わないという方もおられますので皆さん全て…というわけではありませんが、住み慣れた街から離れずに、少人数でのケアがご性格に合った方もきっといらっしゃると思うのです。

ウィルホームコンサルプラザではグループホームへの入居相談も承っております。どうぞお気軽にお問い合わせください!