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ウィルホームコンサルプラザのブログ

2020.11.26

あそこはやめておいた方がいいよと言われたホームも見学するべきか問題

「べきか問題」シリーズでの投稿は久しぶりとなりました。

有料老人ホームなどの高齢者施設を探すとき、担当のケアマネジャーや病院の医療相談員(メディカル・ソーシャル・ワーカー=MSW)、場合によっては私たちのような老人ホーム紹介センターの相談員からの助言で、「評判が良くないので○○ホームはやめておいた方が良いですよ」と言われることがあります。

費用も手ごろだし、家からも近いし、ホームページやパンフレットを眺めている限りでは「そんなに悪いホームには見えないのになあ」と思うこともあるかもしれません。

プロの人たちがそう言うならと、見学を控えるべきでしょうか。

 

逆に「あそこは良いよ」というクチコミはアテにできるか

逆のパターンで、例えば知人から「ウチのお父さんが○○ホームにお世話になったけど、とても良いホームだったよ」と言われたケースで考えてみるとわかりやすいかもしれません。王道と言われる「クチコミ」ですが、知人のお父さんにとっては良いホームだったその施設が、自分のお母さんにとっても良いホームかはわかりません。ホームに望むもの、求めるものが人それぞれ違うからです。広い居室と充実した共用設備を気に入った知人のお父さんと、手厚いケアが必要で医療依存度の高い自分のお母さんは入るべきホームも当然異なるということになります。知人のクチコミを信じてお母さんがそのホームに入居していたら、きっと不満があることでしょう。

同じことが「やめておいた方が良いよ」というクチコミにも当てはまるケースがあるのです。

 

「やめた方が良い」に納得できる理由はあるか

職員による入居者虐待や金銭の窃盗が報道されているケースや、運営会社の経営不安が顕在化しているといった明らかな理由がある場合など、助言をくれた方から納得できる理由があったときは確かに見学をやめておいた方が賢明でしょう。そんなホームだったらきっと見学に行きたいとは思わないですよね。

ですが、そうでない場合であれば見学に行ってみるのも悪くないと思います。例えば「部屋が狭いから」とか「居室にトイレが付いていないから」、「全室相部屋だから」といった理由は、ホームへの希望条件次第で気にならないケースもあります。また「以前そこで勤めていた人から直接やめとけと言われたから」の場合は気になるところではありますが、「クチコミのまた聞き」ですし、ホームページやパンフレットなどの事前情報でご自身が特に引っかかるところがなければ行ってみても良いと思います。またネットでのクチコミも、面接で落とされた人や解雇された人などが腹いせにあることないことを書き込むこともあるようで、やはりアテにはしづらいと思います。

 

見学に行くときの注意点

とはいえ、どんな理由にしろ「やめておいた方がいいよ」と言われたホームです。見学に行くときはいくつか注意点もあります。

(1)助言された点だけではなくホーム全体を見る

例えば「元社員寮だった物件なので見た目も古く、部屋も廊下の幅も狭いから」と言われたら、外観の古さや居室・廊下の狭さという事実を確認するだけではなく、その狭い廊下を車いすの入居者同士ですれ違うためにどういう工夫があるかを見たり、狭い居室にどれだけのものを入れられるかなど確認すると良いでしょう。段差をスロープで改修してある箇所があれば、そこで事故が起きないようにどのような工夫がなされているかを確認すればそのホームの「姿勢」も見えてくるものです。

(2)プロと一緒に見学する

助言をくださった方に同行をお願いすると良いですが、難しい場合は紹介センターを上手に活用するのも手でしょう。ケアマネさんやMSWの方であれば何件かの紹介センターをご存じの方も多いと思います。

マトモな紹介センターの相談員なら、見学時に「何を見るべきか」、「どこを確認するべきか」をよく理解しています。また多くのホームを見学していますので他社との比較で良し悪しの判断をする材料もたくさん持っています。

(3)その場で結論を出さず、持ち帰って検討

「やめておけと言われたけれど、事前に聞かされていた点は織り込み済みで、部屋も空いているということなら早めにこの場で申込…」と考えたくなるお気持ちはわかりますが、いったん持ち帰って検討するようにしましょう。なおこれはホーム見学時すべてで原則当てはまる注意点でもあります。

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(ついでに)紹介センター利用時の注意点

紹介センターに同行を依頼したのに断られたということがあるかもしれません。主に手数料絡みの理由によるものです。

(1)事前照会→見学手配でないと手数料が入らない

紹介センターは有料老人ホーム運営事業者との間で業務委託契約を結んでおり、紹介センターは見学手配の際に紹介カードをホーム運営事業者に送り、「A紹介センターからの案件」であることをホーム側に登録してもらって初めて成約時に紹介手数料がもらえます。ご家族など相談者がすでにそのホームとコンタクトを取っている場合は、後から追いかけて見学に同行しても手数料が入らないのです。手数料が入らないからという理由で断るわけにもいきませんから、まだご家族の手が付いていない(=手数料がちゃんと入る)他ホームの見学を勧めるパターンが多くなるでしょう。

(2)そのホームと未提携なので手数料が入らない

手数料が入らないのは先に家族がホームとコンタクトを取っている場合だけではなく、そもそもそのホームの運営会社と業務委託契約を結んでいない(結ばせてもらえない)というケースもあります。このときも同じように業務委託契約を締結している(=手数料がちゃんと入る)他ホームを勧められることでしょう。

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(3)手数料が低額なホームへの案内を避けたい

加えて紹介センターはホームからの紹介手数料が頼みですから、相談されたホームと業務委託契約を結んではいるけれど紹介手数料が低額というときに、より手数料が高額なホームに誘導するために「あそこはやめておいた方が良い」というケースもあるかもしれません。

「あそこはやめておいた方が良い」と紹介センターから言われたときは、上記3つの理由によるものである可能性がありますから注意が必要です。この場合は「やめておいた方が良い」もアテになりませんね。理由が(2)のケースでは相談員がそのホームに一度も足を運んだことがない!なんてこともあります。

ちなみにウィルホームコンサルプラザでは、上記のような場合でも見学の手配や同行を承ります。もちろん見学にご一緒したうえで、やはりやめておいた方が良いと判断した場合はその旨をきちんと理由付きでお伝えいたします。

未提携ホームの中には私たちの同席をNGとする先もあり、その場合は同行できませんが、そう言われた事実もそのままご相談者様に伝えます。

ホーム側による要素でなく、ましてやご相談者様の事情や希望を慮っての対応でもなく、「手数料が入らない(あるいは低額)」という理由で「やめておいた方がいい」と伝えるのは紹介センター側の都合でしかなく、私たちが決してやってはいけないことです。

もちろんビジネスですので「手数料が入らない業務を承ることはできません」というのはモットモですが、それなら「親身になってどんなことでもご相談を承ります」などの看板は撤去するべきでしょう。