居室トイレは扉仕切りであるべきか問題
有料老人ホームの見学に行って居室を見せてもらうと、トイレ(と洗面台)は大抵のホームに付いています。そのトイレは扉で仕切られていることが多いのですが、中にはカーテンで仕切られているところもあります。
今回のブログではこの「仕切りの是非」について考えてみたいと思います。
主流は「扉仕切り」に
ここ10年くらいの間に開設したホームでは扉でトイレを仕切っているホームが多いと思います。カーテン仕切りでは「落ち着いて排泄できない」や「匂いが気になる」と敬遠する方が多く、また入居先を決めるのがご本人ではなく実質息子さん娘さんの場合は「自立者目線」で「トイレがカーテンとかあり得ないんですけど」となることも多いでしょう。
こういった背景もあり、近年開設されるホームはトイレを扉で仕切るところが多くなっています。
ではトイレの仕切りをカーテンにしているホームは避けた方が良いのでしょうか。
カーテン仕切りの良いところ
前述の通り、ペラペラのカーテンでの仕切りでは落ち着いて排泄できない、とか匂いが気になる……というのは確かにそのとおりなのですが、メリットもあるのです。
(1)アクセスのしやすさ
ベッドのサイドレールやチェスト、洗面台などを手すり代わりに伝うことでトイレへのアクセスはカーテン仕切りの方がしやすいのは、足元にご不安のある方にとってメリットになり得ます。
(2)トイレをトイレと認識しやすい
トイレが扉で閉まっていると、トイレがどこにあるかわからなくなってしまう方もおられますが、カーテン仕切りであれば便器を認識しやすく、「トイレではないところでの排泄」が減った、無くなったというケースもありました。
(3)スペースを広く取れるため介助しやすい
上記の画像がわかりやすいでしょうか。車いすから便器への移乗が必要な方や、下着やズボンの上げ下ろしなどトイレ内での介助が必要な方の場合、カーテン仕切りは広くスペースが取れるため介助しやすいという利点もあります。上の「扉仕切り」の画像と見比べるとイメージがわきやすいですね。
付け加えるとトイレがカーテン仕切りのホームは、バブル期に社員寮や独身寮として竣工した建物を改修したリフォーム物件や2005年前後までに開設した物件など、有料老人ホームとしてのキャリアが豊富なホームに多いのです。
確かに外観や内装はそれなりに「年季が入って」いることも多いのですが、その分有料老人ホームとしての経験値に優れ、近隣の医療機関との連携実績も豊富なホームということであれば「トイレの仕切りがカーテンであることには目をつぶろう」と考える方もおられることでしょう。
居室トイレの仕切りについて、扉が良いのか、カーテンが良いのかについてはどちらにも良い点と気になる点があり、ひと言でいえば「人による」ということになるのですが、それでもそれぞれの特徴を踏まえて検討することは大切ではないかとも思うのです。
最後になかなか面白いと思った取り組みを。
とある有料老人ホームを見学したときに出会った「イラスト付き扉仕切り」の居室トイレです。
紙に「トイレ」と大きく書いて貼るのは不格好ですが、このかわいらしさであれば「トイレをトイレと認識できる」方でも抵抗が少ないのでは。
前述の「カーテン仕切りのメリット」(2)で挙げた「トイレをトイレと認識しやすい」の扉仕切り側からの解消策ですね。
扉が閉まっていてもココがトイレであることがわかりやすいのではと思います。
多くの有料老人ホームを今まで見学してきましたが「ありそうでなかった」対処法だと思います。扉仕切りのトイレで広まると良いですね。
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